土:脾・胃経

伊東整体理論:経絡編
近代的身体の在り方を相対化し人間本来の生命力を取り戻す【総合整体治療理論】

土:脾・胃経

東洋医学の理論図である五臓の色体表によれば脾および胃の経絡は肌肉、即ち粘膜を司ります。

口内、咽喉、気管、鼻孔、瞼、子宮内膜、眼球なども該当します。

脾臓は細網組織であり、腎臓などと似た構造の器官であり、主に古くなった血液(瘀血)の処理をする臓器ですので、体の粘膜もまた瘀血の代謝に非常に関わりがあります。

肌肉、皮膚は第二の消化器と呼ばれる所以もこういったところにあります。

瘀血の処理が滞ると様々な疾患が発生します。

色の配当は「黄」、味の配当は「甘」、感情は「慮」。湿度には弱い。季節の配当は「土用」となります。

ちなみに土用とは二十四節気における四立(立春、立夏、立秋、立冬)の前18日間の期間を言い、季節の変わり目の季節です。

土用丑などといいますが、立夏の前の夏土用の丑の日のことです。

症状と経穴:脾経

臓器としては非常にマイナーであり、西洋医学的にも近年までその重要性が認識できず、安易に切除されたりしてきました。

しかし、重要な静脈系である門脈系の重要な臓器であり、血液の浄化にはなくてはならないものです。

西洋には瘀血という概念が存在していないので不定愁訴に対応する理解、そして治療に対する熱意も起こりません。

当院では血液の浄化が根本的な治癒に繋がると考えており、脾経の治療が欠かせない基本となっています。

脾臓の状態として膀胱経肝兪左側の状態を診ます。

ここが凝り固まっている人は当院の経験上、膵臓の疲れや糖尿病などの糖の代謝に問題がある場合が多いのです。

血液の状態がおかしいので脾臓の状態も悪いとみることができます。

口内炎、扁桃炎、気管支炎、喘息、鼻炎、結膜炎などがなかなか治らない場合は脾経および胃経の治療が重要になります。

また「甘」である糖分の摂取を考えるというのも非常に有効です。

症状と経穴:胃経

胃は万病の元といって全ての臓腑と関係を持っています。

人にはもって生まれた先天の気(原気、元気)があります。これは腎の気です。

この不足を補うのが後天の気(水穀の気)と呼ばれる「胃の気」です。

胃経の治療をすることは胃の疾患はもとよりすべての慢性病にとって重要なのです。胃の疾患は墓穴である中脘と膀胱経の胃兪に強い反応が現れます。

また郄穴である梁丘も重要な治療点となります。

また歯痛なども胃経が関与していることが多くあります。中脘の治療を行うと歯の痛みが楽になることがあります。

すべての慢性疾患は胃の機能強化がとても重要です。

十二本経絡中で胃経に絡まっていない経絡がないことからも分かります。

古来より足の胃経の三里には灸が行われていました。芭蕉も旅立ちにあたり三里に灸を据えています。

足とともに胃を丈夫にするということが旅の安全と無事に欠かせないことであったのです。

宿場の旅籠によっては、三里に灸の跡がない旅人はトラブルのもとであるので宿泊を断ったりする例もあったほどです。

魚の目やイボなども胃経上にできることが多く、胃経の流れの状態を確かめるよすがになります。

真の整体とは

伊東鍼灸整骨院では様々な治療技術(鍼灸、カッピング、手技、電療など)を駆使して経絡の流れを整えながら、西洋医学的な観点からは原因がわからず無為な対症療法に陥りがちな疾患や体の症状を改善します。

人間の身体を様々な世界観、観点から考察し治療するための哲学が伊東整体理論なのです。

他では受けるのことのできない総合的な整体を是非受けにいらしてください。