水:腎・膀胱経

伊東整体理論:経絡編
近代的身体の在り方を相対化し人間本来の生命力を取り戻す【総合整体治療理論】

水:腎・膀胱経

腎の気というのは先天の原気といいます。

人間が生まれ持っている気のことで、生まれつき強い人もいれば弱い人もいます。

この腎気が不足している状態を「腎虚」といい、虚弱体質の人は腎気を補うというのが基礎的な治療となります。

後天の気である「胃の気」とともに東洋医学においては重要な経絡ということになります。

五臓の色体表によれば腎臓および膀胱の経絡は耳の不調、髪の毛の不調に関係しています。

季節の配当は「冬」、色の配当は「黒」、味の配当は「鹹(しおからさ)」、感情の配当は「恐」となっています。

妙に怖がりで落ち着かず、耳にまつわる障害が起きやすい、髪の毛の質が悪いなどの症状が出てきたら腎膀胱の経絡に問題があるかもしれません。

腎虚は望診でも分かりやすく、肌が浅黒く、筋肉が痩せ気味で冷え性があります。

通常であれば色と季節を併せて「黒冬」と言いたくなりますが、この場合は「玄冬」と言います。

症状と経穴:腎経

腎臓は体内の水分の代謝に重要な役割をしています。

老廃物が溜まった血液を漉し取り、必要なミネラル、栄養を再吸収しつつ尿を作り排泄します。

尿はたんぱく質代謝の過程でできたアンモニア(尿素)を含んでおり、1日でも排泄が滞ると尿毒症を起こし、死の危険があります。

肝腎かなめと言われるがごとく、非常に重要な臓器です。

東洋医学的にも先天の気ですので、体全体の経絡に影響を与える最重要の経絡です。

寝汗、急性慢性の下痢、胸膜炎など水分にまつわる症状はこの経絡を治療します。また精神薄弱などにも対応します。

肺経に流入してもいますので頑固な咳、喘息などもこの経絡上に治療点をとります。この経絡は水に関わるので塩基性アミノ酸を必要とします。

玄米食などにすると腎気不足を補うことができます。

東洋医学では「二陰は腎に属す」と言われており、前陰は泌尿器、後陰は肛門です。
この場所の不調にも腎経の治療は効果があります。

症状と経穴:膀胱経

膀胱の経絡は各臓器の兪穴(各臓器の背部側に対応する経穴)が並んでいますので、ほぼすべての経絡と密接な関わりがあり、すべての疾患、症状において膀胱経の治療は必須となります。

五臓六腑の状態を見る上でカッピングの色素反応が重要な示唆をします。

兪穴に集まった気血は胸腹部にある各臓腑の募穴につながります。

東洋医学的には陰陽のバランス、一体化した治療が不可欠となるため、当院の治療は基本として背部から腹部の治療を行います。

まず腰背部の兪穴の反応を見て、腹部の募穴に治療点をとります。

膀胱経は腎経と同じく代謝、排泄を司りますが、全身を巡っているため頭部の疾患に足の膀胱経の経絡の治療をすることで著効がある場合が多く、遠絡治療などに使用されます。

女性の冷え性などは膀胱兪に冷えがあります。

このような場合、不妊になる場合がありますので不妊の治療にはかかせません。

膀胱経にはそのほか、神経衰弱、ノイローゼ、小児麻痺、頭痛、蓄膿症、神経痛、鼻炎、膠原病などの治療点があります。

真の整体とは

伊東鍼灸整骨院では様々な治療技術(鍼灸、カッピング、手技、電療など)を駆使して経絡の流れを整えながら、西洋医学的な観点からは原因がわからず無為な対症療法に陥りがちな疾患や体の症状を改善します。

人間の身体を様々な世界観、観点から考察し治療するための哲学が伊東整体理論なのです。

他では受けるのことのできない総合的な整体を是非受けにいらしてください。