金 : 肺経・大腸経

2023/11/24

伊東整体理論:経絡編

近代的身体の在り方を相対化し人間本来の生命力を取り戻す【総合整体治療理論】

金 : 肺経・大腸経

東洋医学の理論では肺と大腸の経絡は主に毒素の代謝に関係しています。
色体表によれば肺大腸の経絡は皮膚を司り、この経絡に問題がある場合は皮膚に影響が出てきます。
皮膚は第二の消化器と呼ばれるほど代謝能力があり、体内で代謝しきれない毒素の代謝に多大な関係があります。
感覚器としては鼻、季節の配当は秋であり、主に乾燥を嫌います。
乾燥する季節は肺大腸の経絡の流れが悪くなるというわけです。
味の配当は「辛」であり、この経絡に問題がある方は辛味に対してかなり偏った感覚を持っていることが多いです。
異常に辛味を欲したり逆に全く受け付けないということです。
東洋哲学においては最重要な徳目は「中庸」。何事もバランスが大事ということになります。
整体においても近代的な頭脳中心主義では無く全体のバランスをとるということが一番大事なことになります。
伊東整体は西洋解剖的な知識も自由に駆使しつつ局所の痛みを取りながらも、東洋医学的な身体論で全体的な整体を行います。
余談ですが、肺大腸経の色の配当は白です。季節の配当が秋ですので詩人の北原白秋の号はここから採ったのでしょう。

症状と経穴 : 肺経

この経絡は皮膚の状態に関係があるのは概論で述べた通りです。
肺の経絡は主にそのまま肺の疾患に関します。
前腕の経穴である尺沢や孔最などに強く反応が現れることが多く、とりわけ痔疾などの大腸に関するものも肺経の経穴で治療をします。
胸の中府は咳や痰の治療に効果的であり主にカッピングなどで刺激すると著効があります。
ときに水泡反応などもみられますが、そういった反応があると病が劇的に快方に向かうことが多くあります。
肺の瘀血除去は肺がんの予防や結核にも効果があります。
また血液の代謝という重要な役割の臓器なので新陳代謝障害である更年期障害や動脈硬化などの治療にも大切な役割をします。
肺は大腸や皮膚などのように老廃物の浄化と排泄の役目があります。
従ってこの経絡の不調は老廃物を充満させ、西洋医学的には全く理解することのできない不定愁訴を引き起こします。
カッピングは真空浄血療法とも呼ばれ、肺の治療に多くの実績があり、非常に優れていると言えます。

症状と経穴 : 大腸経

大腸経の不調はすぐさま皮膚の不調を引き起こすため、肌の状態が悪いと感じたら大腸の状態を疑うべきです。
膀胱経の大腸兪、臍の脇の天枢なども併せて治療をします。
大腸経では非常に有名な合谷という経穴があります。人間にとって代謝排泄は食べることよりもむしろ大事なことです。
健全な消化と吸収がなされなければ、摂取した食べ物はむしろ毒となります。
便秘、痔疾、肩こり、高血圧、歯痛、眼病なども大腸経を整えることで改善されます。
とりわけ高血圧は典型例で、腸内の環境と密接な関わりがあるということが近年の研究で明らかになっています。
また腸脳相関というものがあります。
腸内の物質と脳内の神経伝達物質にはそれぞれで働き方は違うのですが同位体が多く存在しており、その物質の数は腸内の環境が悪くなり減少すると、脳内でも減少してしまう(その逆も)という関係が存在するのです。
肺大腸経における感情の配当は「悲」です。
大腸の状態と鬱や不安などが関係しているのです。

真の整体とは

伊東鍼灸整骨院では様々な治療技術(鍼灸、カッピング、手技、電療など)を駆使して経絡の流れを整えながら、西洋医学的な観点からは原因がわからず無為な対症療法に陥りがちな疾患や体の症状を改善します。
人間の身体を様々な世界観、観点から考察し治療するための哲学が伊東整体理論なのです。
他では受けるのことのできない総合的な整体を是非受けにいらしてください。