仙台整体日誌:股関節の痛みの患者さん
2024/07/02
数年前に股関節の痛みで悩んでいる患者さんが来院された。悩んでもう一年以上になるそうだ。
30代女性。社交ダンスのインストラクターという仕事柄、高いヒールでの移動も多い。
社交ダンスのような西洋由来の身体操法はその美しさの基準が〝非自然〟であるので、身体を痛めやすい。いかに不自然な動きを自然に行うかを競っているとも言えるのだから当然だ。
肉体は魂の牢獄であり、この物質世界はあの世の模造品というのが「教義」の世界観なので、地面との接触を嫌うし、直線的に上方へ飛び出したい動きが多い。バレエなんかを見ていればすぐに気づくはずだ。
彼女の訴えは右の股関節が常に詰まっている感じがして屈曲しづらく、歩くのもぎこちない。さらには足をつくと鋭い痛みが走るというもの。
整形外科ではMRI画像でもさしたる異常はみられない、変形も炎症もなしとなれば打つ手がない。
マッサージも整体も色々と試したがちっとも良くならない。というわけで知人からの紹介で当院への受診となった。
右の股関節というとまず疑うのが「外方へのほんの僅かな脱臼」である。
人間という動物は左足に軸を持ちたいから、右足は重心が少しだけ外側になってしまう。
そうすると外側に股関節がいき過ぎないように中臀筋という筋肉が常に緊張している。
関節の構造の力が十分に使えていないので、普通に両脚で立っているつもりでも片足立ちをしているような筋肉の緊張がある。
さらには股関節を外側に旋回させる梨状筋も緊張する。それは骨頭が外側に開くのを固定してしまう。さらには深層筋である腸腰筋にも影響がでるといった具合に、緊張の連鎖が起こる。
構造を捉えていない慰安マッサージではまず良くはならない。
なにより、股関節は人体で最大の球関節であるから一度硬くなると中々動かせない。
関節包内の陰圧も大きいからそもそも動かし難い(筋肉や腱を切除したとしても、陰圧の力だけで吸い付いているので、大人が引っ張っても全然抜けない)
なので、外側からの治療は構造的な摂理を理解していないと上手くいかない。
特に彼女のようなヒールばかり履いている人は大腿四頭筋の張り方も凄いので。。。
結果としては、数回の施術で痛み詰まりともに解消。
その後、他県に引っ越されたが月に一度は来院されている。
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伊東鍼灸整骨院
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