仙台整体日誌:子どものめまい、肩こりの患者さん
2024/06/28
小学校3年生のお子さんが〝めまい〟に悩まされているというご相談。
実は数年前に親御さん自身が原因不明のめまいに悩まされて当院で回復された経緯あり。
風邪をひくことが多く、発熱も多いお子さんとのこと。
ただ、最近では発熱に伴い立っていられないほどのめまいを発症する。
以前は発熱がおさまれば通学させていたというが、今はそのめまいの方がひどく一週間ほど休ませなければならなくなっている。
それまでは活発で体を動かすことが大好きなお子さんだったが、今はめまいの恐怖の方があり少し控え気味で、それがまた悩みを深くしている。
近隣の耳鼻科に通うも、結局は薬の処方しかない。それも大して効かずに当院に相談となった次第。
問診の段階で分かるのは姿勢の悪さ。とにかく猫背がひどい。
他の問診の結果からもすぐに構造不良によるめまいだと分かった。
めまいというと前庭と内耳にしか原因がないとの思い込みが蔓延している。
これは人間の平衡感覚を司り、姿を制御することが神経的なものによってのみ行われているだろうという錯覚によるものだ。
そんなことはあり得ない。人間の姿勢制御は、身体の構造と神経的制御とのコンビネーションによってこそ初めて可能となる。
地球上の生命をもつ存在において、それらが持つ平衡器の仕組みは全て同じである。
魚も鳥も植物においても、原理は同じ。重力を利用している。
端的に言えば、水の入った水槽に丸い石を置いて、その水槽を右に傾けたり左に傾けたりした際に石が動いてセンサーに触れることで、どれくらい傾いているかが脳に伝えられるといった仕組み。
薬剤における処置は、その石が割れたり、変な場所に入り込んだりしたことによって過敏になりすぎ、混乱した感覚器の感度を弱めることで、主に安静時における回転性のめまいを抑制する効果を期待する。
しかし、それはあくまでほんの一時の緊急避難にしかすぎない。正直、その間に勝手に構造的な問題が去ってくれたらいいなという気休めみたいなものだ。
そもそも、上記の理由だけで発生しているめまいは一部に過ぎない。
そもそも人間の姿勢制御は、前庭内耳の感覚器のみでは実現できない。神経筋の伝達速度から考えて、脳が分析して筋肉に伝えるのを待っていては全然間に合わないのである。
それ以外の構造が関与している。
常時二足歩行で脊柱を立てて移動させる動物は地球上で人間だけで、それを成すために人間はその脊柱と骨盤に独自の平衡器を持っている。
一番大きなものは仙腸関節である。さらに数箇所あるが、構造的不全がひどい場合はめまいの原因となる。
構造的な原因は中々論文とならないから〝ない〟ものとされてしまいがちだが、未だ数式で表すことができない川の流れのようなものでも当たり前に存在するように、そういった傷病もまた当たり前に存在する。
なにはさて、そのお子さんは1〜2回の施術で軽快した。
環椎後頭関節の可動不全が原因だった。
不良姿勢が根本にあったので矯正と調整。
こんな単純なことが見落とされ続ける場合が多々ある。成長期の姿勢教育ってのはとりわけ重要で、この時期で四角いいびつなスイカになるか大きく丸く美しいスイカになるかが決まる。
果実でも人間でも姿勢が正しい成果物は滋養も風味も良い人間に育つ。
機能美ってのを舐めてはいけない。
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伊東鍼灸整骨院
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